「男が外で働いて稼ぎ女性が家庭を守る」という考え方はもう今は昔、2015年に総務省統計局が発表した「平成27年国勢調査」によると、実に6割以上のご家庭が共働きであることが分かっています。
経済的な事情によることも多いと思いますが「出産をしても職場復帰をして働きたい」と考えている女性もまた多く、共働き世帯は今後ますます増えていくことが予想されます。
しかし、共働きをする上で必ず避けては通れない問題が発生します。
それは「子どもをどこに預ければ良いのか?」ということです。
近くに母親がいれば子どもの面倒を見てもらえますが、そういった状況ではない場合なんらかの施設や機関に子どもを預かってもらう必要があるのです。
その預け先の代表例としては保育園が挙げられますが、近年では保育園に落ちてしまうケースも頻発しており、子どもの預け先を巡る問題は深刻化の一途をたどっています。
そこで当記事では子どもの預け先を徹底まとめ。
保育園も含め、利用できる預け先の特徴やメリットなどを詳しく解説いたします。
保育園にも2種類がある?常時使用できる預け先まとめ
それでは早速子どもの預け先について解説いたします。
認定保育園
まず最初にご紹介するのは認定保育園です。
保育園には2種類あり、この認定保育園と後述する認定外保育園に分かれます。
その違いは「厚生労働省の認定基準を満たしているか」ということです。
生後6ヶ月から利用することが可能となります。
原則的に保護者が仕事などの理由で子育てができない家庭が入園対象となります。
また入園審査があり、ひとり親家庭や母親がフルタイムで働いている家庭が優先的に選ばれます。
認定外保育園
次にご紹介するのは認定外保育園です。
生後6ヶ月から利用することが可能となります。
認定外、という言葉を聞くとあまり良くないイメージを連想されるかもしれませんが、夜間保育や土日保育など家庭の様々なニーズに応えているというメリットがあります。
が、認定内保育園よりも費用が割高で施設や人員の基準が低い傾向にあるため、前もって見学してから入園を決定されることをお勧めします。
認定子ども園
次にご紹介するのは認定こども園です。
入園できる年齢は各地方自治体によって異なりますが、3〜4才であることがほとんどです。
幼児教育と保育を同時に行う施設であり、以下の4種類に分かれています。
1.幼保連携型
幼児園的機能と保育園的機能を併せもち、単一の施設となっているタイプです。
2.幼稚園型
元々公立や私立の幼稚園だった施設が保育園的機能を併せもったタイプです。
幼稚園では対応不可である0歳児の預かりも可能です。
3.保育所型
元々保育所だった施設が幼稚園的機能を併せもったタイプです。
保育が必要でない世帯やママが働いていない世帯でも利用することが可能です。
4.地方裁量型
元々幼稚園でも保育園でもない施設が元となっているタイプです。
各地方自治体が定める基準を満たした場合に認定こども園として機能します。
幼稚園
最後にご紹介するのは幼稚園です。
満3〜5才の幼児が入園する施設です。最近では年次途中に3才になる2歳児の入園も許可しているケースもあります。
子どもの預け先の一つであることは間違いありませんが、同時に学校教育法に基づいて設立される「教育機関」でもあります。
そのため基本的な保育時間は14時ほどまでで、延長でも16〜17時までとしている場合が多く、パートタイムで働くママに向いている施設です。
緊急時にはどこに預ければよい?一時使用できる預け先まとめ
共働きではなく基本的には子どもを預ける必要は無い、という方でも自身が病気になるといったことで一時的に子どもを預ける必要が発生することは十分考えられます。
そういった方が一時使用できる預け先を以下にまとめます。
ファミリーサポート
まず最初にご紹介するのはファミリーサポートです。
ファミリーサポートとは地域全体で育児や介護の援助を行うために地方自治体が主導となって運営している組織です。
ファミリーサポートの依頼会員となることで利用することができます。
会員になるにあたって特別な資格などは必要ありません。
利用方法の講習会や会員同士の交流などを開催している自治体もあり、新たな育児支援として注目されています。
しかし依頼会員数約55万人に対し、提携会員(依頼会員の支援を行う会員)約13満人と、提携会員の人数不足によって利用がなかなかできない場合があります。
が、定型会員となっている方は事前に講習を受け保険にも入っており、自身も育児経験のあるベテランが対応してくることが多いので、安心して利用することができます。
ベビーシッター
次にご紹介するのはベビーシッターです。
急な用事で家を空けざるを得ない際に代わりに自宅で子どもの世話をしてくれます。
子どものお世話をしてくれることに加えて、家事代行や習い事の送り迎えまでも対応してくれるケースが多く、子育てや家事に疲れた際などにも利用されます。
ベビーシッターになる人は育児や家事の豊富な経験が多いですが、利用にあたっては事前面談を実施し、信頼できる相手かどうか見極めるようにしましょう。
利用料金の相場は1時間で1500円程度です。
一時保育
次にご紹介するのは一時保育です。
基本的には一定期間利用する保育園ですが、一時的な利用を許可しているケースは存在します。
そのため地域によっては、緊急時でも保育園を利用することが可能なのです。
利用するあたっては事前登録や申請が必要となります。
受け入れ場所や時間帯、利用料金などは各地域によって異なりますので各自調べる必要があります。
ベビーホテル
最後にご紹介するのはベビーホテルです。
「ホテル」と名前を聞くと宿泊施設を連想される方も多いと思いますが、厚生労働省は「認定外保育施設」と定義しています。
またベビーホテルとして設けられている基準は以下の3つです。
1.午後8時以降の保育
2.宿泊を伴う保育
3.一時預かりの子どもが利用児童の半数以上を占めている保育施設
この3つのいずれかを満たす施設がベビーホテルとされます。
つまり必ずしも宿泊できる施設というわけではないので注意が必要です。
ちなみに厚生労働省の調査によるとベビーホテルのうち、24時間保育を行なっている施設が22%、午前2〜7時まで利用でき宿泊機能を持っている施設が7%、午後10〜翌午前2時まで利用でき深夜帯の保育を行なっている施設が6%、午後8〜10時まで利用でき夜間保育を行なっている施設が29%であることがわかっています。
このように各ベビーホテルごとに利用時間は異なるため、事前に調べておく必要があります。
まとめ
以上、子どもの預け先について徹底まとめを行いました。
子どもの預け先と聞くと保育園や幼稚園などのイメージが強いですが、意外と選択肢は多いということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
冒頭でも述べたように共働き世帯にとって「子どもをどこに預けるか?」というのは非常に重要な課題です。
近年話題になっているように、保育園への入園がなかなか決まらないことで職場復帰ができず、思うようにキャリアプランが描けず不満が募っている方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方はぜひ今回ご紹介したようなそれぞれの預け先の特徴やメリットを理解して、各ご家庭に最適な預け先を選択をされてください。
当記事がその参考になれば幸いです。